池田中学生のサテライトオフィス調査!

徳島県でサテライトオフィス誘致が始まって10年以上。

進出企業の数も年々増加する中、進出企業と地域が共に取り組む事業や、地元での雇用創出など地域にとってもよい影響がにし阿波でも広がっています。

そんな取り組みを地元の学生にも近くで感じて欲しい!ということで、池田中学校の職業体験活動としてサテライトオフィス企業に直接インタビューを行い、感じたことや自分たちが応援できることを3年生の熊澤清乃さんに調査・レポートしてもらいました!

職業体験レポート

はじめに

6月29日、30日に中学校の学習の一環として、職場体験活動をさせていただきました。私は、有限会社データプロさんで、三好市のサテライトオフィス事業を知るという体験をし、地元の中学生としてできることを考えました。その体験についてまとめたいと思います。

今回、2社の企業さんと市役所関係者のかたにインタビューをさせていただき、三好市のサテライトオフィス事業について、呼ばれた側、呼んだ側の視点から質問に答えていただきました。

株式会社ビヨンドさんへのインタビュー

まず、呼ばれた側の株式会社ビヨンドの水沢さんに質問をさせていただきました。

水沢さんは京都府出身で、企業の本社は大阪府にあるそうです。そこでなぜ池田にサテライトオフィスを出したのか聞いてみると、「労働環境を改善するため」が大きく理由にあったそうです。

株式会社ビヨンドはサーバーを専門的に取り扱う企業で、深夜にも働くそうなのですが、労働環境を改善するために、深夜の労働を無くそうと、まずは国内の離れた場所、池田のサテライトオフィスで実践し、その結果をいかしてカナダにもオフィスを展開したそうです。カナダでは時差を利用して深夜を無くすことに成功したそうです。

そうした理由の中で、池田にサテライトオフィスを出して良かったことや、メリットを聞くと、自然環境やオフィスの良さが社員のリフレッシュに繋がっているそうです。エンジニアさんは黙々と仕事したいという人が多いらしく、そういった願望に池田の雰囲気や環境があっていたというところがメリット、と仰っていました。

逆にデメリットはあったかと聞くと、仕事が遅く、お店が閉まっていて結局夜ごはんがコンビニのものになる事もあり、チェーン店が恋しくなると、悲しそうに仰っていました。このようなデメリットがありながらも、池田のサテライトオフィスで働いている水沢さんは、四国に貢献したいと仰っていました。水沢さんは四国についてそこまで知識はなく、周りのお友達も知っている人がほとんどいなかったそうですが、そんなときに仕事として徳島に来て、文化や自然の良さを知れたことで、四国に貢献したいという気持ちが生まれたそうです。

開所当時、採用もゼロからのスタートだったので大変なことは、本当にたくさんあったと思うと仰っていました。最後の質問はサテライトオフィスを出したことで、さらに気づいた池田の魅力は何か聞いたところ、本当に自然が綺麗と仰っていました。水沢さんは池田の山が大好きだそうで、池田小学校、中学校、高校の並びがお気に入りだそうです。やはり、自然が三好市の強みだと思いました。

株式会社ジェニオさんインタビュー

次に、株式会社ジェニオの梯さんに質問に答えていただきました。梯さんは徳島県吉野川市出身で、企業の本社は兵庫県神戸市にあるそうです。

なぜ池田にサテライトオフィスを出したのか聞いたところ、IT業界全体にある人材不足という課題と、田舎や地方が抱える働く場所の確保という課題を同時に解消するためという理由があるそうです。

こうした理由の中から、池田にサテライトオフィスを出して良かったことやメリットはあったか聞くと、四国でしかできないことがあったことや、人の優しさを肌で感じられたと仰っていました。逆に、デメリットはあったか聞いたところ、スキルが必要になる仕事は採用が難しいそうで、これは業界と地域の共通の課題だそうです。こうして株式会社ジェニオさんがサテライトオフィスを出している目的としては、人材を確保して、受け入れ先を作ること、三好市のような田舎や地方で人材を育てて、一緒に仕事をする人を増やすことだそうです。

そして、もちろん大変だったこともあったそうで、社長が先にオフィスに入り、送られてくるインテリアを1人で組み立てたそうで、このとき梯さんが言っていたことは、最初からサテライトオフィスに人がいるわけではないと仰っていました。

株式会社ビヨンドの水沢さんも言っていたように、採用もゼロからなので相当大変なことがあるなと思いました。最後に池田にサテライトオフィスを出してさらに気づいた池田の魅力を聞いたところ、自然豊かで静かであることと、仰っていました。環境は仕事をする上で大事な要素になってくると思います。私は池田や三好という場所は、働く環境にとても適している場所だと感じました。

三好市役所とサポート企業へのインタビュー

最後、質問に答えてもらえたのは、市役所の増井さん、漆川さんと、市が行っているサテライトオフィス事業をお手伝いしている西村さんです。市役所のお2人は、徳島県三好市池田町出身で、西村さんは大阪府出身で移住してきたそうです。今度は、呼ばれた側ではなく、呼んだ側の視点で質問に答えていただきました。

まず、企業を池田のサテライトオフィスに呼んだ目的についてです。

人口減少対策や若い人が少しでも、地元に残る可能性を作るためだそうです。担い手や人口が減少しているなか、できるだけ年齢が若く、これからの未来を作っていく人材の働く先を作るという目的もあるそうです。どのような企業を呼んでいるかについては、クリエイティブな会社という答えが返ってきました。実際、私がインタビューした2社の企業さんは、どちらもクリエイティブという言葉で表すことができる企業で、その通りだと思いました。

こうして企業を呼んでいるわけなのですが、具体的に企業を呼ぶために行っていることはあるのか聞いたところ、都市部の企業にセミナーを行って、実際に現地に来てもらう。そして、おためしで働いてみて、決めてもらうという取り組みを行っているそうです。

話を聞くだけでは分からないことがたくさんあるだろうし、実際に体験することが、サテライトオフィスを出すきっかけになっているのだろうと思いました。また、これからサテライトオフィス事業を展開していく上で、どのような業種の企業を呼んでいきたいかについては、人を採用したり、育ててくれたりする企業が1番だそうです。

今年、こちらにやってくる企業は高卒人材を採用する企業で、どんな学歴でも働きたいという思いがある人を雇うことの重大さが分かりました。呼ばれた側としては、自然が美しく、労働環境の良い池田、そして三好市を良く思っている企業がほとんどだと思います。

では逆に呼んだ側、いわゆる三好市側としてサテライトオフィスを出すことで、何か良いことがあるのか気になったので、質問してみました。若い人が残るきっかけになったり、人が増えることで賑やかになる、新しくできる事が増えるなど市にとっても良いことがあるそうです。

呼ばれる側、呼んだ側、どちらも池田や三好に貢献してくれている方たちだと思いました。

さいごに

この職場体験は三好市のサテライトオフィス事業を知り、私が地元の中学生としてできることを考えるという最終目標がありました。

そして、今回インタビューにお邪魔させてもらった旧政海旅館は、同級生の中で「ここって何をしている施設なんだろう」と話題に上がっていた場所でもあり、中に入ってみて同級生に報告するというちょっとした任務もありました。

この2つを心にとめて、体験した結果、自分なりに目標に対する答えが見つかりました。

それは、知ることです。

私は体験を通して、たくさんのことを知りました。自分の知らなかったことに足を踏み入れて、自分の世界を広げることができたのです。ただ、まだ知らないこともたくさんあります。

だから、次は周りの中学生を巻き込んでやってみます。

1人では発見できなかったことが、人数が変わると発見できるかもしれないし、また新たな気づきが生まれるかもしれません。そうした発見できる場を作るのが、職場体験を通して知ることができた、私の出番だと思います。

私が体験したことについて話すのも応援することに繋がると思いますが、リアルを知るためには、見て知ることも大切です。また、自分が何気なくやっていることは、実は特別で、自信をもっていいと知ることも必要です。例えば、挨拶です。挨拶は普通のことだと思いますが、実は都会からオフィスに来た企業からしたら、特別で唯一無二のものだと感じているのです。そんな些細なことも知りましょう。知って、自分たちの地元をもっと賑やかで元気なものにしていきませんか。

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熊澤さん、ありがとうございました!

ぜひ今回知ったことをお友達や周りの人に教えてあげてください。2日間お疲れさまでした。

ご協力いただいた企業・行政の皆様もありがとうございました!