【株式会社ビヨンド】海外研修制度を利用したカナダの働き方!

withコロナ時代を経て大きく広がった「新しい働き方」。にし阿波のサテライトオフィス企業も面白い取り組みをされています。

今回は、三好市にサテライトオフィス進出をしている株式会社ビヨンドさんの「働き方」をご紹介!ワーケーションも積極的に取り入れている株式会社ビヨンドでは「海外研修制度」を行っており、研修制度を利用してカナダで仕事をされている方に現地での生活の様子、お仕事内容について寄稿していただきました!

寄稿者紹介

こんにちは。
ビヨンドの四国オフィス管理者兼インフラエンジニアの水沢です。

いつもは徳島県三好市にある四国オフィスで、AWSやGCP等のクラウドサーバの構築。セキュリティ面やコストパフォーマンスの最適化を行う運用保守業務を通して、お客様のWebサービスを共に支える仕事をしています。

そんな中、2023年2月から弊社の「カナダ・海外研修制度」を利用して約3ヵ月、カナダのトロントにあるビヨンドのオフィスで働いております。

海外研修制度がはじまった理由

カナダオフィス設立の背景

2020年11月9日(月)に、弊社ビヨンドの現地法人である「Beyond GTA.inc」のオフィスをカナダで設立しました。

設立の理由として、時差を利用した新しい働き方を実現するという目的がありました。

設立前は、弊社のメイン業務である24時間365日のサーバ監視対応を早番、遅番、夜勤の3交代制で実施していたのですが、夜勤は生活リズムが乱れやすく体調管理が難しかったり、家族や友人と予定があわせにくいといったデメリットがありました。

カナダオフィスを設立したことで、日本の夜勤帯がちょうどカナダの日中という時差を利用した「夜勤対応の廃止」ができ、エンジニアの健康管理の増進につながって働きやすい環境が促進されています!

カナダ・海外研修制度

前述の通り、働く「環境」の充実化を図るために設立されたカナダオフィスですが、次のステップとしてエンジニアのメンバーに新たな成長の機会を提供するという取り組みのため、カナダオフィスで3ヵ月間の勤務が可能となる「カナダ・海外研修制度」を2022年6月から導入しました。

具体的には、
■カナダオフィスCEO兼技術責任者とリアルで働くことによる技術力の向上。
■多種多様な価値観や文化にふれることで生まれる新たな知見。
■英語力の向上 など
中長期的なエンジニアの成長につながる貴重な機会となることを期待しています。

また、いつもはリモートでのみのコミュニケーションとなっているカナダオフィスのメンバーとリアルで交流することで拠点間の結束力も、より一層高まると考えています。

いざ、出国!

ここからは、カナダオフィス勤務にまつわる私個人の体験談を「事前準備、移動形態、勤務状況」の観点でご紹介します。まずは出国前の手続きと移動についてです。

出国前の事前準備。

具体的には次のような準備を行っていました。
・AirCanadaのアカウント作成
・ETA登録
・ArriveCan登録
・ワクチン接種証明書の取得
・海外旅行保険の加入
・スノーブーツの購入
・その他(現金、クレカ、電子決済アプリ、変換器、充電器、衣類、医薬品など)
この中でカナダ入国時に必須なのは「ETA (Electronic Travel Authorization)」の事前登録。
これは、カナダへの入国ビザが必要ない外国籍の旅行者が空路でカナダに入国する場合に必要なオンライン上で申請する電子渡航認証です。
取得したETAの有効期間は5年。この期間中は、1回の渡航あたり6ヶ月以内であれば、何度でも短期滞在が可能なので、特に頻繁にカナダ出張する人にとっては有益な制度だと思いました。申請も簡単で数分で完了しましたよ。

なお、コロナワクチンの接種回数と接種証明書の管理をどうするかも事前に決めて準備しておいたほうが良い項目です。
例えば、ワクチン接種が3回未満である場合、出国前72時間以内にPCR検査が必要になる。接種回数を証明するために検査証明書が必要といった制約があります。
私はというと、コロナワクチンは3回以上接種済みのため、上記の検査は不要。
接種証明書は新型コロナワクチン接種証明書アプリで国内用と海外用で電子管理し、事前の発行手続きを省略可していました。

この点は渡航前後の国別のルールによって条件が変化するので、早めに条件を把握して、自分に合った選択に応じた準備をとることをおすすめいたします。

三好市からカナダへ移動!

四国オフィスのある三好市から、カナダオフィスがあるトロントのNorth York Centre駅までの旅スタートです。

■徳島から大阪へ
・阿波池田駅→難波駅:電車、3h
・難波駅→伊丹空港:リムジンバス、0.5h

■大阪から東京へ
・伊丹空港→成田空港:飛行機、1.5h

■東京からカナダへ
・成田空港→トロント ピアソン空港:飛行機、12h
・トロント ピアソン空港→Union駅:電車(UP Express)、0.5h
・Union駅→North York Centre駅:電車(TTC)、0.5h

フライトの待ち時間を除いた実際の移動時間はというと、「約18時間」でした。
個人的には過去に片道約35~40時間のフライトを複数回に渡って経験していたこともあって、それほど遠いとは感じませんでした。

トロント ピアソン空港からの移動について、トロントの主要エリアには電車移動が充実している点と深夜帯はUberなどのタクシー配車アプリも利用できる環境があり、海外からの渡航者にとっては安心な環境が整備されている感じました。

※支払い関係はオンライン決済も充実していて、私は支払いはクレジットカードでチャージできる「presto card」を使っていました。

カナダオフィスの仕事環境

次はカナダオフィスのご紹介です!

カナダオフィスは、トロントのノースヨークにあるSPACESというコワーキングスペース内にあります。TTCのノースヨークセンター駅からだと徒歩5~10分ほど。

室内は開放的で、弊社以外にも数多くの会社が利用しています。
そのため、会議スペースや休憩スペースも充実しています。
具体的には、高速なwif環境。1人用や複数人で利用できるテーブルやソファ。低価格で利用できるコーヒーマシン。自炊した食べ物や飲食を保存できる冷蔵庫。適度に身体を動かせる卓球台などがあります。

中でも、私が気に入っているのはるコーヒー抽出マシン「KEURIG」。

ここではcoffee, french vanilla coffee, cafe mochaなどの10種類のコーヒーが100~150円で飲めます。そのため、休憩中にコーヒーとspacesの1階の隣にある「Lucullus Bakery」という香港スタイルのパン屋さんで買える「エッグタルト」で癒されています。

そうした環境の中、現地在住の日本人とウズベキスタン人のカナダメンバーと一緒にサーバ構築や深夜帯におけるサーバ運用保守業務を行っています。

皆さん相手のことを考えながら一緒に支えていく価値観をもってらっしゃる方々なので、とても働きやすく、日々感謝しています。

カナダ滞在中の生活面について

カナダの冬から見えた習慣

私がカナダに到着したのは2月1日。カナダも日本同様に真冬の季節です。
現在も厳しい寒さが続いていますが、たくさん初めての経験がありました!

■生まれて初めて外気温が「-20℃から-26℃」の世界の体験。
スマホでお店の写真をとる5秒ほどで、真冬の水に手をつけた時のように骨まで届く冷たさで、居ても立っても居られなくなりました。

■「スノーブーツ」が必須。
これがないと歩行が困難になります。
積雪時の転倒リスク軽減はもちろんですが、雪が溶け始めた時いたるところにできる水たまりのせいで普通の靴では水浸しなってしまいます。特に、交差点付近は要注意ポイントでした。

■「-20℃から-26℃」の世界を体験後、「-0℃から-5℃」が寒いと感じにくくなる。

「保温性」の観点からコートのフードを初めてかぶる。
日本でも、突発的な雨や雪から身を守るためにフードをかぶることはありましたが、特に耳の保温性を保つためにフードをかぶりたいと思ったのは初めてでした。「帽子+フード」の組み合わせで防寒対策をとっている人もかなりいました。

電車内から見えた多様性

私はこれまにで十数ヵ国、海外を訪れたことがありますが、日々の生活圏でこんなにも多種多様な人々と交錯できる場所に巡り合えたのは初めてでした。

それを最初に実感したのが、トロント ピアソン空港からノースヨークセンター駅へ移動していた「電車」の中です。
アジア系、アラブ系、アフリカ系、欧米系など、本当に多様な世界が電車という身近な空間で感じられます。中でも、特に韓国や中国といったアジア系が多い印象を受けました。

その後に分かったことですが、私がいるノースヨークのエリアは韓国の方が多い場所でした。そのため、韓国料理店も数多く出店されています。このように、同じ人種の人が集まるエリアがトロントには複数あるのですが、それらのエリアのことは、「エスニック タウン」と呼ばれています。

以前からカナダは、アメリカ・オーストラリアといった国と同じように、移民を積極的に受け入れる国であるという認識は持っていましたが、実際にリアルな現場で身体を通して多様性を感じる印象は別物でした。

物価の違い

日本人として体感温度と同じく、印象に残るものは「物価」だと思います。

家賃

私が住んでいる徳島県三好市の2DKの家賃は「35,000円/月」。
トロントで同じ2DKの家賃は「約300,000円/月」。
suumoさんが公表されている家賃相場では、2DKの平均家賃は徳島市で「51,000円/月」、三好市で「41,000円/月」であることから、徳島県とカナダの家賃相場は6~7倍は違うことになりますね。
これは想像以上でした。

食事

パン。先程紹介した「Lucullus Bakery」だと「250~500円/個」。
牛乳。スーパーで「600円/2ℓ」。
ハーゲンダッツ。スーパーで「530円/個」。
食事に関する価格も日本と比べると2~3倍は違います

海外から見て「日本は物価が安いね」という声をよく聞くことがありましたがカナダに来て実感しました。

トロントでの観光

これまでにトロントで観光して印象に残った「場所、食事、音楽と芸術」について紹介いたします。

1番目に紹介するのは「場所」

ナイアガラの滝

上司に車で連れて行ってもらいました。この日は少し雪が降っていましたが、日差しもあって「雪+虹+滝」が見れる壮大な景色でした。

なお、この付近にはワイナリーも数多くあるので、お酒好きの方は1泊してワイナリー巡りを観光コースに入れるのもいいかもしれません。

また、個人的に楽しかったのが、行き帰りの高速道路。
車で約2時間でしたが、その間、どんな車種が走行しているのか観察してました。
主観にはなってしまいますが、概ね「日本車60%、ドイツ車20%、韓国車10%、アメリカ車(テスラ)10%」という感じでした。

2番目に紹介するのは「食事」

「Owl of Minerva」の韓国料理

キムチチゲも美味しかったですが、個人的には旨味のある辛さに包まれた「キムチチャーハン」が絶品でした。価格は「約1,700円」。
なお、こちらのキムチはスーパーでも購入できて人気だそうです。

「holy chuck」のハンバーガー

会社の方から教えていただいたのですが、注文してから調理してくれるため、肉汁たっぷりのジューシーなハンバーガーを堪能できます。しかも、自分の好みに合った注文が可能なのです。具体的には、焼き方、ソース、トッピングに入れる野菜など。
私は「ミディアム+トッピングは全て+バーベキューソース」のチーズバーガーとストロベリーチーズケーキシェイクを注文しましたが、是非、オリジナルの食べ方を探求してみてください。

「Blackbird Baking Co.」のパン

こちらも会社の方から教えていただいたケンジントンにあるパン屋さん。
特に、ペーストされたアーモンドとクリームが中に入ったアーモンドのクロワッサンが絶品でした。しかも、めちゃくちゃ男前の方が接客してくれました。
この付近はケンジントンと呼ばれるエリアで、中華系のお店も多いので、歩くだけでも楽しい場所です。

3番目に紹介するのは「音楽と芸術」

「The Rex Hotel Jazz and Blues Bar」

こちらでは、料理を食べながら目の前でjazz音楽を楽しみ、かつ、宿泊までできるホテルです。平日+土曜日は「17:30と20:30」の2講演。日曜日は「14:00と17:30と20:30」の3講演で毎日開催されています。

料金は基本的に「チャージ料$10+飲食代」とかなりリーズナブル。

私が聴いた日は「トランペット + ピアノ + ツインギター + ベース + ドラム + 見たことがない琴のような楽器」の6人組みjazzバンドでしたが、特にギターの方がファンキーでメチャクチャ盛り上がっていました。

また、場所がトロントのダウンタウンにあるのでアクセスもしやすい場所でしたよ。

「ロイヤルオンタリオ博物館」

約700万点以上のコレクションが保管された北米で5番目に大きな博物館。

中には地球の自然史、民俗学、地質学といった分野にわたる展示物を数多く見ることができます。あまりの広さと種類の多さから、ゆっくり見るなら1日はかかりますが、是非一度は訪れてほしい場所でした。特に、古代エジプトの展示が素晴らしかったです。

「Kim's Convenience」のコメディドラマ

これはカナダのトロントを舞台にしており、韓国系カナダ人のキム一家が経営するコンビニエンスストアの日常から多文化社会での共存や家族愛などを知ることができるドラマです。

実際には2016年から2021年にかけてカナダのCBCテレビで放送されていたものですが、私はトロントに来てからNetflixで見ていました。

実際に、「Kim's Convenience」はTTCのQueen駅から徒歩10分ほどで行くこともできます。が、日中帯にも関わらず、あまり治安が良い場所とは感じられませんでしたので、行くなら複数人で行くか、もしくはQueen駅から徒歩ではなくて路面電車から見るほうが無難かと思っています。

最後に、トロントと徳島県に共通するものがないか調べてみました。

すると、徳島県出身の米澤曜さんが主宰となって阿波踊りを主軸に新たな日本芸能の可能性に挑むため、1995年に東京で発足された「寶船 TAKARABUNE」の皆さんが、2016年と2019年にトロントで阿波踊りを披露されていたことが分かりました。

残念ながら、私がトロントに滞在する間には見ることができないですが、また機会があれば是非見てみたいと思っています。

最後に

弊社ビヨンドが取り組んでいる新しい働き方の実情。
多種多様な人々が交差する国際都市トロント。
いかがでしたでしょうか。

今後、日本は次の点から海外の方との接点が増えてくると思います。
・コロナによる渡航制限が以前よりも緩和され始めている。
・2025年には日本で万博が開催される。
・2026年にはカナダのトロントとバンクーバーでサッカーのワールドカップが開催される。

そのため、これらの情報が海外との接点を既に持っておられる方。若しくは、これから持とうと考えておられる方々にとって、少しでも役に立てることができたら幸いです。